誰しも一度は耳にしてことがあるであろう「母子手帳」という言葉。
正確には「母子健康手帳」であり、内容も目的も昭和初期に配布されていた「母子手帳」とは全く違うものです。
筆者は、助産師を目指す助産学生の頃、この「母子健康手帳」についての調査、研究を行ったことがあります。
昭和初期の「母子手帳」は、「妊産婦手帳」を前身としており、簡単に言うと、
「産めよ増やせよ」を謳う政府は妊婦の数を把握でき、
かつ妊婦は戦時中の配給を優先的に受けることができる、
というメリットがありました。(とはいえ、本当に配給をしっかり受けられていたのかどうかは定かではありません。)
これに”健康管理”や”栄養管理”についての記載ができるようになったものが、現在の「母子健康手帳」です。
「母子健康手帳」の内容は定期的に内容改定が行われ、現在は、必要最低限の育児書として活用できるように情報が書かれ、また保護者が自由に書き込める欄が増えるものとなりました。
さて、筆者が学生時の研究でどのような結果が出たのか…
それは
「8割以上のママたちが母子健康手帳をもっと活用しておけばよかった」と後悔している。
というものでした。
「病院で書かれたこと以外自分では書いてない」
「健診の時に渡して、自分では見たことがない」
「予防接種の時にもっていくだけ」
「そもそも、書き込んでいいものとは知らなかった」
…という声が多数…
この結果を見て
『絶対に母子健康手帳を活用してほしい!!ママたちにはしっかり伝えたい!!』
と強く決心したのでした。
月日は流れ…
ついに自分自身が母になるとき。
そう、あの時強く誓った『母子健康手帳をめちゃめちゃ活用しよう!!』を実践するときが!!
↓見にくい画像でごめんなさい
たいしたことではないけれど、忘れてしまわないうちに”そのとき”の気持ちを書き記しました。
そしてそれを息子の誕生日のたびに一緒に開いて見て
「あなたはこれだけたくさんの人から愛されて生まれてきたんだよ」
「たくさんのおめでとうを言ってもらえた。私もとってもしあわせだよ」
「生まれてきてくれてありがとう」
を、しつこいほどに伝えています。
大人への階段を上り始めた中学3年生の息子には「面倒くさい」「しつこい」と思われているかもしれません。それでもかまわない。
思春期の息子に対してイライラすることも、強いことを言い放つことも、「どっか行っちゃえ」と思うことも恥ずかしながらあります。
でもそんなときに、この母子健康手帳を開くことで、”あの時の気持ち”に戻れることができる。すっきりした気持ちで息子と向かい合うことができる。
母子健康手帳は、母と子の健康と発育の記録であり
こころを落ち着かせられる!!!
”その時”の気持ちや、出来事、記憶から消えてしまうような小さなことでも何でもいいから、書き残してほしい。
書くのが苦手な人は、写真を貼るでもいい。
筆者の子育て時代はプリクラの時代だったので、毎月プリ機で撮って、母子健康手帳に貼ってました。
いつかは離れていく子どもへ向けて、”母と子が同じ時間を生きてきたこと”を伝え、
”あなたは大切な存在なのだ”と子へ、そして母自身へも伝えることができる
ツールとして活用できると思います。
現在は様々なツールがあり、もちろん、母子健康手帳とは別に育児日記を書いているママもいると思う。もちろんそれぞれがやりたい方法でいい。
(筆者は面倒くさがりのため、日記は続かず、2冊の使い分けなど器用なことができるはずもなく、母子健康手帳に一本化しただけのこと。)
いろんなものが電子化されて行っている中で、形のある
THE アナログ な母子健康手帳。
私はこの、
アナログな母子健康手帳が好き。
アナログだからこその良さもあるよな~、
成人した時にプレゼントしたいな~
でも手放したくないな~
文字にするときは『母子健康手帳』って書いてるけど、口にするときには『母子手帳』って言っちゃってるな~。(笑)
まいっか、『母子健康手帳』ってすごいんだぞ、ってちゃんとわかってたら。
なんて考え、15年間を振り返る快晴の土曜日。